息子の弱視克服体験記です。
これをご覧の方は、なぜこんなことに? どうしたらいいの? この先どうなってしまうんだろう? 一生このまま見えないの?と
将来のことを悲観されているかもしれませんね。
そんな方に少しでも「そういった例もあるのか…少し安心した」と思って頂けるように、経験したことをお話しします。
難しいことは書きません、いや書けません(笑)ので気楽に読んで下さいね。
眼鏡学校に在学中、大学病院の眼科研修で、毎日たくさんの弱視のお子さんを見てきました。
知識や経験だけはありましたので、それらしいお子さんを見かけると、親御さんにそれとなく眼科受診をお勧めすることも。
あとから「矢野さん、よく気付いて言って頂きました」と感謝されたことは1度や2度ではありません。
だけど…
自分の息子の弱視を見つけてあげることが出来なかったのです。認定眼鏡士なのに…
気付いてくれたのは保育所の先生でした。
【2006年 11月 (4歳)】
保育園から連絡があり「凛ちゃん(息子)、左眼ちょっと見づらいみたいです」と。
その時は、炎症でもおこしたのかな?ぐらいにしか思っていなかったのですが、ウチの店で他覚検査(オートレフ)をしてみると
左眼だけが強い遠視 との測定結果。
早速、右眼を隠し「これ何本に見える?」と指を立てると、「暗い」と一言。
その言葉を聞いたとたん、涙があふれてきました。どうして今まで 不同視弱視 と気付いてあげられなかったんだろう…と。
自分を責めるとともに、すぐに眼科に飛び込み検査を受けました。
幼児から小学生までは、とても調節力があるので、調節を麻痺させるお薬を点眼して検査する必要があります。
※麻痺させるというと恐ろしく感じるかもしれませんが、目薬を入れるだけです。
これが初めての処方箋 ↓2006年 11月 (4歳)↓
右眼はよく見えていますが、左眼が+5.0D という強い遠視です。
しかし度数が強いのは問題ではないのです。その強い眼鏡を掛けても 0.15までしか見えないのが問題なのです。
備考欄には 弱視 の文字が。
早速、メガネとアイパッチで矯正することに。
徳島のおばあちゃん宅でパチリ。義母から「あれっ怪我したん?」と心配されました。そりゃそうですよね。
保育園では、初めこそ興味本位で子供たちが集まってきましたが、すぐにそんなことは無くなりました。
ウチのお客様でも「アイパッチは、じろじろ見られて可愛そうやから出来るだけ外出するときは、はずしてあげたい」とおっしゃる方が多いですが
経験上、少しでも長い時間、アイパッチ+メガネを装用させてあげた方が、視力の回復が早いと思います。
↓2007年 7月 (4歳)↓
装用から8カ月で、矯正視力が 0.15 から 0.7 に上がりました。
(0.7といえば普通免許で必要な視力です)
メガネは日本製・アイパッチはオルトパッドを使用。粘着力も程よく、可愛いデザインなのでお勧めです。
↓2009年 9月 (7歳)↓
矯正視力は載っていませんが、遠視が2段階、ゆるくなりました。
これぐらいの年頃になると、メガネフレームを歪ませてしまうことも多いです。
しかし怒らずに「ちゃんとメガネを掛けて頑張ってるね♪」と褒めてあげてくださいね。
すっかり慣れて 携帯ゲーム機(当時は任天堂DS) をする時や本を読む時はアイパッチをするものだと本人も分かっていますので、自分でペタッと貼るようになりました。
↓2010年 8月 (7歳)↓
見て下さい! 左眼の矯正視力が 1.0 になりました!!
嬉しさのあまり、はじめてふちなしメガネを作ってあげました。
しかしこれはオススメできませんね。扱いが上手だったので壊しませんでしたが、レンズが割れやすいので危険です。
↓2014年 8月 (11歳)↓
矯正視力は 1.0~1.2をキープ。度数もかなりゆるくなりました。
現在息子は大学生。
しっかりと両眼視が出来ていますし、もちろん日常生活も問題ありません。
運転免許も取得しました。
どうでしたか?少し安心して頂けましたでしょうか?
弱視は、早期発見・早期治療です。
しかし、ただメガネを掛ければいいというものではありません。
正直言って、掛けて余計に悪くなる雑貨的なものが、町中で普通に売られているのが現状です。
では、何を基準に購入すればいいのか?
簡単な選び方としては
①まず、いつでもメガネの掛け具合をしっかりと見てくれる・調整できる 1級眼鏡作製技能士が担当してくれるか?
※【眼鏡作製技能士がいるお店】だけではダメです。
②日本のメガネブランドであるか?
③利益優先のお店ではないか?など。
もちろん当店は上記の全てをクリアしておりますが、遠方で来店が億劫になるようでしたら、避けていただいた方がよろしいかと思います。
どんな良い眼鏡でも、歪んだりネジが緩みますので、その都度、調整する必要があります。
幼児~児童の眼鏡は、視覚発達を促進することを目的としていますので、ズレめがねでは、治療にならないからです。
是非、お子さんにはちゃんとした眼鏡を掛けさせてあげて下さい。
どうか、早く弱視が治りますように。